アルマスギャラリーでは、野村和弘、橋本玲美、石川実夏、福田香菜、めろっこめろこの5名による
グループ展「Road to Eva」を開催します。
今展は、2018年に個展『ドット・ペインティング』を行った野村和弘と、
野村の教え子らによるグループ展となります。
彫刻や絵画、映像、インスタレーションなど、それぞれ表現媒体が異なる作家の作品が同時に展示されますが、
そこに共通の教師を見いだす事になるのか、はたまたその逆となるのか。
野村が同時期に参加する、東京都現代美術館で開催される『あそびのじかん』展は、
そのタイトル通りあそびがテーマの展示ですが、相反するようで地続きでつながる、
何かを教える事と教わる事について、考えがめぐるような展示になることと思います。
今展についての、野村和弘によるテキストとなります。展覧会を楽しむ一助となる事と思います。
______________________________________________________________________
Road to Eva
近頃話題になっていた、リメイクされたホラー映画の主題は、前作とは逆に、魔術を生きながらえさせることにあるそうだ。
いかにして魔術を、取り払うのか?、と苦慮してきたのが、成就も間際になって、
魔術を保守することに転身するという、サウロ的なお話し?
これを聞いてまず頭に浮かんだのが、潰される前に後方にパスをして、足で蹴ったりしながらもつなぎ、
何とかしてボールをゴールラインまで運びトライする(手にしたボールを、逃げ果せさせる)、というラグビーの、
競技シーンだった。これは、魔術師の日常、そのものではないか?ここでのボールは、魔術、あるいはその奥義
(かつての追われた部族は、自分たちの証明が奪われるなら、洞窟などに隠したのではないだろうか?)?
それは美術においても、同じだろう。もともとに、勝ち目のない勝負だったのだ(ルールあるスポーツ競技でも、
大変なのに)。
多数派には、連帯性があり、美術の有用性も確かではないし(それでも、
必要のないものに一生懸命になることが、人間を、人間にした始まりではなかったか?
魔術師は、魔術師にも殺される)。
また、たとえば、最近の美術は、はなからアーカイブを見せられている感じしかしない、という、
私の友人の気分も、魔術の喪失がもたらしたものに違いない。
一切が周知の範囲で、分かりやすい、としても、何でこんなことになってるんだ?という不思議さに、楽しめない。
説明で、何とかできると思っている?むしろ、そっちの方が重要?ただの素材(もの)が、作品へと変化、
昇華するという瞬間を経験したことがない?、のか、していたとしても、その自覚に疎い?
あるいは、誰も知らない間に、作品を作る人間が入れ替えられてしまった
(神社の鳩が、ある日気付いたら、美しくも、白い個体だけになっていた、というように。
人間の場合では、識別しづらく、失われたことも、それに誘発される後ろめたさも、
通常では感じることがないはずだ)?
社会的な、美術?もう、決して昇華しない美術?いや、もうほとんど一つしか(社会的な、も、昇華しない、も
ありはしない)。
すでに、誰でもが、美術作品を作ることができる
(現在では、さしずめ、BTSに美術作品を作らせれば、アジア最強となるのではないか?
ランキングも、一つ、がもたらせるのだろう)。
不感症は、この世を生きる知恵だとしても、サウロ的な回心は、さらに欲深い知恵を含みかねない?
魔術師をダシに使うことで、不感症者の上に君臨しようとする?同時に、魔術の完全なる根絶、
骨抜きにさせるためでも?身を潜めてきた魔術師を、白昼の中?、にさらし、同じ人間だと宣言することで?
雑誌とかの、占い欄でもやらせようか?
大先生として、据えられることによっても?いずれにせよ、たとえ取り込まれたように見えたとしても、
その半身では、逃げて、逃げ続けることではないか?ターゲットは、その中にしか存在しない。
君の、トライゲームチーム、(申し合わせのない)共同体。
______________________________________________________________________
日時:2019年7月13日(土)~8月10日(土) 12:00-19:00
金/土/日のみオープンとなります
opening reception 7月13日(土)18:00-20:00
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/time-to-play/
会期:2019年7月20日(土)- 10月20日(日)
休館日:月曜日(8月12日、9月16、23日、10月14日は開館)、8月13日、9月17、24日、10月15日
開館時間:10:00-18:00(7月26日、8月2、9、16、23、30日の金曜日は21:00まで開館)
野村和弘 Kazuhiro Nomura__________________________________________________
1958年 高知県生まれ
1979年 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻入学
1988年 同大学美術学部油画後期博士課程を満期退学後、ドイツ学術交流会(DAAD)奨学生として渡独
1990年 デュッセルドルフ美術アカデミーにて学位(Meister schueler)取得
1993年 帰国、神奈川県在住
[主な発表歴(2010年以降 *印は個展)]
2018年 「ドット・ペインティング」* HARMAS GALLERY 東京
2017年 「イヤリングと葡萄」* void+ 東京
2017年 「女性靴とボタン」* gallery21yo-j 東京
2017年 「片目」* ガレリア フィナルテ 愛知
2016年 「六本木クロッシング 」 森美術館 東京
2015年 「笑う祭壇2出版記念」*+「赤のコルパー」 TIME & STYLE MIDTOWN 東京
2015年 「富士ゼロックス版画コレクション コピー・アートの時代」 Fuji Xerox Art space 神奈川
2015年 「春を待ちながら」 十和田市現代美術館 青森
2014年 「笑う祭壇」* gallery21yo-j 東京
2014年 「0.5出版記念」*+「黒の拡大」* TIME & STYLE MIDTOWN 東京
2013年 「LVRF3」 カスヤの森現代美術館 神奈川+TIME & STYLE MIDTOWN 東京
2013年 「frances」* 秋山画廊 東京。
2013年 * カスヤの森現代美術館 神奈川
2012年 「現代絵画のいま」 兵庫県立美術館 兵庫
2012年 「1、2、3(Little Girl Popular Edition)出版記念」* void+ 東京
2011年 「simple things」 名古屋市民ギャラリー矢田 愛知
2010年 「野村和弘/東島毅 みることをかんがえる」 いわき市立美術館 福島
2010年 「City Beats + Live Explosions」 Bank ART studio NYK 神奈川
[コレクション]
千葉市美術館
富士ゼロックス
いわき市立美術館
橋本玲美 Remi Hashimoto__________________________________________________
1991年 東京都生まれ
2013年 阿佐ヶ谷美術専門学校卒業
[主な発表歴(*印は個展)]
2017年 「U NEED SOME HELP」* S.Y.P Art Space 東京
2015年 「シブヤのタマゴ」 旧渋谷区庁舎 東京
2015年 「赤のコルパー」 TIME & STYLE MIDTOWN 東京
2014年 「Winter Video Art (Iran & Japan)」 Azard Art Gallery テヘラン
2013年 「MEC Award 2013 入選作品展」 SKIPシティ映像ミュージアム 埼玉
2011年 「Teenage Spirit」 explosion-tokyo viewing room 東京
石川実夏 Mika Ishikawa__________________________________________________
1989年 東京都生まれ
2010年 道灌山学園保育福祉専門学校卒業
2018年 阿佐ヶ谷美術専門学校卒業
[主な発表歴]
2019年「美談」新宿眼科画廊 東京
2018年「わたしのあかし」阿佐ヶ谷美術専門学校卒展 東京
2017年「ちやほやランド」人形町ヴィジョンズ 東京
2016年「おぢや廃屋アートプロジェクト」おぢや 市民の家 新潟
福田香菜 Kana Fukuda__________________________________________________
1992年 埼玉県生まれ
2014年 阿佐ヶ谷美術専門学校イメージクリエイション科卒業
2015年 同専門学校研究科修了、ここのがっこうでファッションを学ぶ
[主な発表歴]
2017年 個展「SCALE」LaLaLa Laboratory
2016年 アートプロジェクト「廃屋アート美術館」 小千谷市旧市民の家
2015年 MIHARA YASUHIRO 表参道店 ディスプレイ展示
めろっこめろこ Meroco Merocco __________________________________________________
1993年 東京都生まれ
2018年 阿佐ヶ谷美術専門学校卒業
2019年 Amazing School JUR スペシャルメイクアップ専攻卒業
[主な発表歴(2010年以降 *印は個展)]
2019年 「美談」新宿眼科画廊
2018年「カワサキハロウィン2018」ハッピー・ハロウィン賞
「トーキョーワンダーシード2018」トーキョーアーツアンドスペース本郷