『われわれは、乗船中の船を大海原で改修しなければならない船乗りの様なものである。一から組み直すことなどできるはずもなく、梁を外したら間髪入れず新しい梁を付けねばならないし、そのためには船体の残りの部分を支保に利用するしかない。そういう具合に、古い梁や流木を使って船体全てを新しく作り上げることはできるものの、再構成は徐々にしかおこなえない。』

彦坂敏昭

2018.3.16 - 4.21  金/土/日のみオープン

アルマスギャラリーでは、彦坂敏昭による個展を
3月16日(金)から4月21日(土)まで開催いたします。

今回の個展では、近年精力的に取り組んで来た波のスケッチを、
さらに発展させたシリーズを展示いたします。

幕末を生きた、新聞の父とよばれるジョセフ・ヒコの漂流記に書かれている、
アメリカ人の船員が船上で書いた筆記体の文体を、ヒコが波の形だと勘違いしたという逸話から着想を得た、
波と日々の記録である新聞を組み合わせた波のスケッチのシリーズ。
それを更に発展させ、海を仕事の場とする人々に取材をし、取材対象の人々と現場の海を撮影、
それらの写真を合成、緻密に再構築しトレースしていったシリーズが展開されます。

ヒコの勘違いを、自然のものごとを形象化した文字である漢字をつかう民族特有の勘違いと
仮定してみたとき、その逸話に触発された彦坂が、波という自然の形象をトレースしていること自体が
なにか新しい文字=新しい伝達手段を生み出していると考えられないでしょうか。

そのことは絵画をコミュニケーションの手段と捉える彦坂が、様々な表現手法をとる制作の中においても、
トレースというすでにある事物に寄り添い、捉え直すことができる手法を常に用いてきたことと
無縁ではありません。

今展では香港で発表された作品群に新作を加え、日本でご覧いただける絶好の機会となります。
VOCA展へも同時に出展しておりますので、ぜひ併せてご覧頂けますと幸いです。

日時:2018年3月16日(金)-4月21日(土) 12:00-19:00
金/土/日のみオープンとなります
opening reception 3月16日(金)18:00-20:00

協力:AISHONANZUKA
本展のタイトルはオットー・ノイラートの言葉から引用

彦坂敏昭 Toshiaki Hicosaka_______________________________________

1983 愛知県生まれ
2005 京都造形芸術大学情報デザイン学科 卒業
2009 ポロック・グラズナー財団(NY)より制作支援を受ける
2015 ポーラ美術振興財団在外研修員としてイギリス、アイスランドに滞在

[主な個展]
2017 『To Look at the Fire』 大和日英基金(ロンドン)
2016 『Touching / Touched by』 AISHONANZUKA(香港)
2013 『Joining Lines: Interface; Abstract』 Sanseido Gallery(兵庫)
2013 『Joining Lines』 Aisho Miura Arts(東京)
2010 『[ルール][レーレ][ローロ]』 Aisho Miura Arts(東京)
2009 『ARKO 2009 彦坂敏昭』 大原美術館(岡山)
2008 『テサグリの図画 (Shiseido Art Egg Award #2)』 資生堂ギャラリー(東京)

[主なグループ展]
2017 『江之子島芸術の日々 2017「他の方法」』 
          大阪府立江之子島文化芸術創造センター [enoco]
2017 『ポーラ ミュージアム アネックス展 2017』 POLA MUSEUM ANNEX(東京)
2015 『薮の中』 ギャルリ・オーブ(京都造形芸術内)
2014 『egØ ‒ Re-examining the Self』 punto(京都)
2013 『Education, Education and Education』 Zone ( 倉敷芸術科学大学内 )
2012 『現代絵画のいま』 兵庫県立美術館
2011 『TRANS COMPLEX ‒ The Painting in the Age of Information』 
          京都芸術センター、AISHO MIURA ARTS
2010 『No Manʼ s Land ‒ Nouvelle Meʼ tamorphose du Lieu』 フランス大使館(東京)
2010 『discolage ものの組み合わせには何かルールがありますか』 YukaContemporary(東京)
2009 『Rain Meet the Sun』 M.K. Ciurlionis National Art Museum(カウナス、リトアニア)
2009 『Twenty.』 Dazed and Confused(ロンドン)
2008 『白』 MA2 Gallery(東京)
2008 『MOT annual 2008 解きほぐすとき』 東京都現代美術館
2006 『越後妻有アートトリエンナーレ』 十日町市、新潟

[主なワークショップ]
2017 『To Pick up the Shadow』 大和日英基金(ロンドン)
2017 『To Pick up the Shadow』 大阪府立江之子島文化芸術創造センター [enoco]  
2014 『みたことのない自分の描き方』 複数の小学校(大坂市内) 
          企画:大阪新美術館建設準備室
2014 『自画像を描いてみよう』 国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター、愛知
          企画:アーツアライブ、経済産業省
2011 『かくこと』 母と子の家 浮間ハイマート、埼玉 企画:アーツアライブ
2010 『きくこと』 母子生活支援施設 パークサイド亀島、東京 企画:アーツアライブ

[滞在制作]
2017 吹上美術館(下津井、岡山 / 1 ヶ月間 )
2016 NES Artist Residency(スカーガストトロント、アイスランド / 2 ヶ月間 )
2015 STANLEY PROJECT(ロンドン、イギリス / 11 ヶ月間 )
2014 ARKO、大原美術館(岡山 / 3 ヶ月間)

[受賞・助成]
2017 第 5 回 500m 美術館賞 最終選考に選出
          / 審査員:椹木野衣(美術評論家)、遠藤水城(キュレーター)
2016 Hariban Award 16 最終選考に選出
2014 第 6 回 絹谷幸二賞 入選 / 推薦者:三井知行(大阪新美術館建設準備室学芸員)
2011 展覧会ドラフト 展覧会企画の選出 / 主催:京都芸術センター 
          審査員:長谷川祐子(東京都現代美術館学芸員)、平芳幸浩(京都工芸繊維大学准教授)
2008 ARKO レジデンスアーティストへの選出
          / 審査員:高階秀爾(大原美術館館長)、柳沢秀行(大原美術館学芸員)
2008 資生堂アートエッグ #2 入選 / 主催:資生堂ギャラリー 
          審査員:水沢勉(神奈川県立美術館館長)、岡部あおみ(美術評論家)
2005 東京コンペ 入選 / 主催:アタマトテ・インターナショナル 
          審査員:日比野克彦(アーティスト)、荒木経惟(写真家)

[パブリックコレクション]
          JAPIGOZZI Collection、日本
          大原美術館、日本
          高橋コレクション、日本

彼女の指先と神話

野村和弘 柴田健治

2018.1.19 - 3.3  金/土/日のみオープン(2月16日、17日、18日は休廊)

アルマスギャラリーは、アートトの共同開催で、
野村和弘と柴田健治による展覧会「彼女の指先と神話」を開催します。

本展は、素材の持つ意味や機能を吟味しながら、作品ごとに表情の違う絵画や
インスタレーションを展開する野村和弘と、手前に張り出す感覚と奥に吸い込まれる感覚が
同時に存在する、不思議な絵画空間を生み出す柴田健治によるコラボレーション展です。

二人の作品に共通するテーマとして、「不確定なもの」が挙げられます。
それは、日の光や温度、風のそよぎなどのように一定ではない状況ですが、
数年先まで計画を立てて日々行うことを確定させ、すべてが動いているように
見える今の社会では、排除されがちな考えといえるのかもしれません。
一方で、「不確定なもの」を積極的に捉えてその意味に向き合うことは、
この時代を背景として、何か見知った世界とは別の、豊かな世界へと通じる道を
探ることになるのではないでしょうか。

野村は、イヤリングやスツールなどによるインスタレーションを展示し、
柴田は、滑らかで鑑賞者の姿さえも映し出す鏡のような絵画を出品します。
個室のようなギャラリー空間で繰り広げられる「不確定なもの」の物語と空間づくりにぜひご期待ください。

 

日時:2018年1月19日(金)- 3月3日(土) 12:00-19:00
金/土/日のみオープンとなります (2月16日、17日、18日は休廊)
opening reception 1月19日(金)18:00-20:00
※ オープニングレセプションでは、藤原大典(美術家)による自作詩の朗読があります。

主催:アルマスギャラリー   企画協力:アートト   協力:タグチファインアート
本展は、アルマスギャラリーとアートトの教育プログラム「キュレーション・プラクティス」が共同で制作しています。

 

野村和弘 Kazuhiro Nomura__________________________________________________
1958年高知県生まれ。
1988年、同大学美術学部油画後期博士課程を満期退学後、
ドイツ学術交流会(DAAD)奨学生として渡独。
1990年 デュッセルドルフ美術アカデミーにて学位(Meister schueler)取得。
近年の個展に「イヤリングと葡萄」(void+、2017年)や「女性靴とボタン」(Gallery 21yo-j、2017年)がある。
また主なグループ展に 「春を待ちながら ーやがて色づく景色をもとめて」(十和田市現代美術館、2015年)、
「六本木クロッシング2016展 僕の身体あなたの声」(森美術館、2016年)など。

柴田健治 Kenji Shibata____________________________________________________
1971年新潟県生まれ。
1998年、東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了。
近年の主な個展に「Sei Solo」(タグチファインアート、2014年)などがある。
また主なグループ展に「十和田奥入瀬芸術祭 SURVIVE この惑星の時間旅行へ」(十和田市現代美術館、2013年)や
「赤いコルパー」(Time & Style Midtown、2015年)などがある。

次の展示はUpcomingを御覧ください。