アルマスギャラリーでは、3月26日から今野健太、久保田沙耶の2人による
「信像」展を開催します。今野、久保田の二人は、同時期に開催される
『つくばアートサイクルプロジェクト 2021ー2022 「アントロポセンー分岐点を超えた景色ー」』
にも出展しています。
今野健太は東京芸術大学大学院博士後期課程美術専攻を修了後、
広島を拠点に制作を行っています。
一貫して石彫による人体彫刻によって、自分自身を把握することさえ出来ない
人間の不確かさや不安をテーマに、複数の人物が変形し融合した立像や、
大人とも子供ともとれるようなデフォルメされた人物たちを制作してきました。
今展で発表される『揮発する肖像』は、
今野の制作キャリアの初期から作られてきた重要な首像のシリーズです。
的確な造形技術に忍び込ませるようにディフォルメと違和感、変形した人体が挿入されており、
不安定にうつろい、明滅するように変化する人間の感情を表現してゆく作品となっています。
大型作品の長期にわたる制作期間の中で発生する石の破片を使用し、
ドローイング代わりに即興的に完成させるシリーズとしてはじまった『テノヒラ』も
割れた石の断面と対照的に有機的な作家の掌のディテールと、作り手の不明な時代の
彫刻や石器などへの観察による原始的なフォルムが同居した掌サイズの作品群であり
新作旧作が入り混じった構成となります。
久保田は1987年、茨城県生まれ。筑波大学芸術専門学群構成専攻総合造形、
東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画修士課程修了、同博士号取得。
代表的な展示に、個展「Material Witness」(大和日英基金)や、
アートプロジェクト「漂流郵便局」(瀬戸内国際芸術祭2016)などがあります。
久保田の制作において、作家自身の身の回りの大切に思うものごとを主題にした詩情に満ちた
ドローイングやガラス絵、彫刻作品がここ数年の中心となっています。
幼少から身近にあった祈りの対象も画題として幾度も描いており、様々な描き方で描くことにより
自身の内面でうつろう印象を捉え直しているかのようです。
今回はすべて新作のドローイングで構成した展示となります。
2022年3月26日(土) ー 2022年4月30日(土) 12:00~19:00
金土日のみオープン
オープニングレセプションは行いません。
ご来場の際はマスクの着用および入り口での消毒液のご使用をお願いします。
今野健太 Kenta Konno____________________________________________________
1980 東京生まれ
2009 東京芸術大学大学院博士後期課程美術専攻 修了
website:https://kentakonno.com/
【個展】
2020 「析出」 HARMAS GALLERY / 東京
2019 「掌の彫刻」 HARMAS GALLERY / 東京
2017 「巨岩と花びらの狭間で」 日本橋髙島屋美術画廊X / 東京
2015 「ぱられる人」 EARTH+GALLERY / 東京
2014 彫刻//新時代シリーズvol.1 今野健太展 「あいとなるものもの」
日本橋髙島屋美術画廊X / 東京
2014 「にじり出す背 -Back out gradually-」 HARMAS GALLERY / 東京
2012 「ユスブル」 現代HEIGHTSgalleryDEN / 東京
2007 「曖昧な決断、はっきりとした迷い」 現代HEIGHTSgalleryDEN / 東京
【グループ展】
2021 「視線のあらわれ」 HARMAS GALLERY / 東京
2018 「刻まれた時間ーもの語る存在」 東京芸術大学大学美術館 / 東京
2016 「彫刻 -気概と意外」 東京芸術大学大学美術館陳列館 / 東京
2016 「sympathy」 名古屋松坂屋 / 愛知
2013 「Melting Points」 HARMAS GALLERY / 東京
2012 「行為の触覚 反復の思考」 上野の森美術館 / 東京
2010 21C//カタチの今 vol.2 「-思考する人体・語りかける彫刻- 髙畑一彰・今野健太 二人展」
新宿髙島屋 / 東京
2009 「彫刻 -労働と不意打ち」 東京芸術大学大学美術館陳列館 / 東京
2005 「UPRISE -彫刻における現代への視座-」 上野の森美術館EXTRA / 東京
【パブリックコレクション】
東京藝術大学大学美術館 / 東京
天祐寺 / 長崎
大和ハウスグループ みらい価値共創センター / 奈良
久保田沙耶 Saya Kubota____________________________________________________
1987 茨城生まれ / 幼少期を香港で過ごす
2010 筑波大学芸術専門学群構成専攻総合造形卒業
2012 東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画修士課程修了
2014 City & Guilds Of London Art School留学 (research residency artist)
2017 東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻油画研究領域修了
website:http://sayakubota.net/
コレデ堂:http://corededo.sayakubota.net/
漂流郵便局:https://ja.wikipedia.org/wiki/漂流郵便局
[個展/プロジェクト]
2010 “fanfare” / AISHO MIURA ARTS (東京)
2012 “melting monster” / AISHO MIURA ARTS (東京)
2012 “incomplete existence” / AISHO MIURA ARTS (東京)
2013 “STAR AND DAY O.K. GOOD THEATRE” / ヒルネタリウム (徳島)
2013 “漂流郵便局” / 旧粟島郵便局(粟島)
2015 “鹿を歯医者に連れて行く” / Island MEDIUM(東京)
2016 “Material Witness” / 日英大和基金(ロンドン)
2017 “私の目には涙がこぼれる”/LUMINE MEETS ARTショーウィンドウ内(東京)
2018 “Time Burns”/AISHO NANZUKA(香港)
2020 “ひとはなんていうの”/HARMAS GALLERY(東京)
2021 “肌を読む”/SYP gallery(東京)
[グループ展(一部省略)]
2008 GENIUS FIELD / AISHO MIURA ARTS (東京)
2009 Tokyo Regionalism (ニューヨーク)
2009 EMERGING DIRECTORS’ ART FAIR “ULTRA002″ / スパイラル (青山)
2009 showcase / AISHO MIURA ARTS (東京)
2010 ASIA TOP GALLERY HOTEL ART FAIR 2010 / Grand Hyatt Hong Kong (香港)
2010 TOKUSHIMA LED ART FESTIVAL 2010 (徳島)
2010 青参道アートフェア (東京)
2011 ASIA TOP GALLERY HOTEL ART FAIR 2011 / Mandarin Oriental Hong Kong (香港)
2011 group exhibition / JAUS GALLERY (ロサンゼルス)
2011 LUMINE MEETS ART / LUMINE (新宿)
2012 group show / 銀座三越 (東京)
2013 TOKUSHIMA LED ART FESTIVAL 2013 / (徳島)
2013 Art Basel Hong Kong 2013 / (香港)
2013 00_Gallery Show / AISHONANZUKA (香港)
2013 瀬戸内国際芸術祭2013/ (粟島)
2014 Leather Japan 2014/THOMAS ERBEN GALLERY(NY)
2016 瀬戸内国際芸術祭2016/(粟島)
2016 LUMINE MEETS ART/新宿LUMINE(東京)
2017 明倫AIR成果発表会2017/倉吉市博物館(鳥取)
2018 The Size of Thoughts /White Conduit Projects(ロンドン)
2018 となりの富三郎/倉吉博物館(鳥取)
2019 ものと祈り/倉吉博物館(鳥取)
[レジデンス]
2013 粟島アーティスト・イン・レジデンス(粟島AIR)2013春期
2015 City & Guilds of London Art School(ロンドン)
2016 瀬戸内国際芸術祭2016(粟島)
2017 明倫アーティスト・イン・レジデンス2017(鳥取)
2018 明倫アーティスト・イン・レジデンス2018(鳥取)
2019 明倫アーティスト・イン・レジデンス2019(鳥取)
[アートプロジェクト]
2013- 漂流郵便局(粟島)
2018- コレデ堂(鳥取)
[受賞歴]
2014 テラダアートアワード ミヤケマイ賞受賞
[パブリック・コレクション]
Friedrich Flick Collection
[出版]
2014 「漂流郵便局」久保田沙耶著(小学館)
2016 「かのひと」作:菅原敏 絵:久保田沙耶(東京新聞出版社)
2020 「漂流郵便局 お母さんへ」久保田沙耶著(小学館)