アルマスギャラリーでは、7月2日から下出和美による個展を開催します。
下出和美は、少女と植物をモチーフとして多くの作品を描いています。
空き地や裏庭のような、人の手入れをされていない、もしくは放棄されたようにみえる
植物の茂みのなかに、少女が佇んでいたり、寝転んでいたりします。
かくれんぼのような遊びの情景を思わせますが、主人公であるはずの人物たちの
表情からは感情は読み取れず、背景であるはずの植物と同化しているようです。
今回の作品には動物も多数登場しますが、植物、少女、動物が折り重なり、そこにある存在は
すべて等価値であるように描かれています。
東京では久々の展示となるようです。
散歩しにいくような気持ちでご来場くだされば幸いです。
野原の真ん中にひょろりと高く伸びる一本のハルジオン。
風で揺らめいている。
緩やかに野原を2分する。
画面に引く1本の線も、こうあればいいと思った。
光が降りそそぐ野原で、野良猫が寝転び、カメがのそのそ歩き、虫たちは蠢いている。
死ぬ前に思い出す光景がここであればいいと思えた。
それぞれがそれぞれの理由で移動したり立ち止まる。こちらはこちらの勝手なイメージでその理由を推し量る。
犬の動きを見て人間の言葉をあてた動物番組じゃあるまいし…と、うんざりする。
しかしそれでも相手が許す限り親密な距離に近づきたいと思う。
野原にゆるやかに在るハルジオンのような線を、探り探り星と星をつなぐような辿々しい線を、
絵画の中で探る。
下出和美
下出和美 Kazumi Shimoide_______________________________________
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1983年 石川生まれ
2008年 金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科絵画専攻油画コース修了
[個展]
2020 彗星倶楽部(石川)
2018 芸宿(石川)
2015 MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w(京都)
2013 MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w(京都)
2012 gallery 点(石川)
2011 MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w(京都)
2009 MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w(京都)
2008 art project frantic(東京),VOICE GALLERY pfs/w(京都)
2007 VOICE GALLERY pfs/w(京都)
2006 TOKYO WONDER SITE HONGOU(東京)
2005 葡萄夜(石川)
[グループ展]
2016 VOCA展2016/上野の森美術館,シェルアーティストセレクション/国立新美術館(東京)
2013 第一回損保ジャパン美術賞展FACE2013/損保ジャパン東郷青児美術館
2012 絶景/MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w(京都)
2010 手の中のミクロコスモス/金沢アートグミ(金沢),stay with art 2010/HOTEL T’POINT(大阪),carre2010/gallery 点(金沢、同2011,2013)
2009 眼差しと好奇心5/soka art center (台湾/台北),冬景08/MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w(京都)
2008 冬景/VOICE GALLERY pfs/w(京都),ART AWARD TOKYO 2008/行幸地下ギャラリー(東京)
2007 夏景/VOICE GALLERY pfs/w(京都)
2006 想画考3/VOICE GALLERY pfs/w(京都),TOKYO WONDER SEED 2006/TOKYO WONDER SITE SHIBUYA(東京)
2005 シェル美術賞2005/代官山ヒルサイドフォーラム(東京、同2006,2007), TOKYO WONDER WALL 2005/東京都現代美術館(東京、同2007)
[受賞]
2007 シェル美術賞2007/蔵屋美香審査員賞