-The Tragedy of Self (自己という悲劇)-
私達が生きているこの時代の風潮を定義する時に、
私は「自己」という概念がとても重要に思える。
現代は自己を賛美する事を私達に教え込み、
他者に対して無関心でいる事を訓練させるシステムを作っている。
しかし、そうしているうちにいつの間にか私達は他人から孤立し、
美化された自分としか向き合えない空虚さに陥っている。
つまり私達は悲劇的なナルシズムのサイクルに
飲み込まれている実態に気付かないでいる。
私は作品の中で自分を悲劇的な両性の聖人のような
存在として描く事によって、この時代のナルシズムを客観的に見つめ、
その中に潜む悲しみを表出させようと試みている。
モニラ・アルカディリ プロフィール———————————————–
日本に10年以上滞在し、映像から平面作品まで幅広い制作を行う
クウエート人のアーティスト。
暴力、悲しみ、ナルシズムといった精神的なテーマを作品の題材にし、
社会とアートが通い合う可能性を追求している。
略歴
1983年 ダカール、セネガル生まれ。クウエート国籍
2010年 東京芸術大学美術研究科博士号取得
主な個展
2009年 「The Tragedy of Self」トーキョーワンダーサイト本郷
主なグループ展
2009年 「G.G.V.V.(Gulf Goth Visual Vortex)」Sultan Gallery、クウエート
2008年 「In Transition Russia 2008」Museum of Fine Arts、エカテリンブルク、
National Centre of Contemporary Art、モスクワ
2008 「トーキョーワンダーウォール公募2008」、東京都現代美術館
2008 「Ib Beiti Ana Geezi」Sultan Gallery、クウエート
2006 「風呂屋劇場」才ノ神浴場、直島
2005 「United Buddy Bears」六本木ヒルズ、東京
作家HP:http://www.monira.jp/