レセプション 2日 18:00〜20:00
アルマスギャラリーでは、10月2日から16日まで
長坂絵夢・井澤由花子展『Solid memory, Liquid scapes』を開催いたします。
長坂絵夢は、鉄の板に「いつかあった瞬間」を定着する試みを続けています。
鉄を加熱・加工した起伏を風景に見立て、
撮りためた身の回りの人物などを配していきます。
堅牢である一方、衝撃や時間経過などで多彩な表情を作る鉄に、
過ぎ去り移り行く一瞬の記憶/景色を託し、表現しています。
かたや、井澤由花子の描く水彩画は、白昼夢のような
目眩にも似た浮遊感に満たされています。
自分の記憶と想像、様々な媒体から吸収してきた光景が
入り交じり溶け合った不定形な風景を、
にじみだしていく鮮やかな色彩により書き留めていきます。
二人の作品の真逆な存在感がどのように反応しあうのか。
2日(土)のレセプションには作家も在廊しております。
是非ご来場の上ご高覧いただければ幸いです。
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長坂 絵夢 Nagasaka Emu
「buring view-in the memory」
日常は何気なく流れ、無意識に映るシーンは、
ピンボケした残像で記憶の中へ蓄積される。
ぼやけた記憶を辿れば辿るほど、景色は変容し日常から外れた空間へ移り行く。
それは少し遠い眺めで、その時のその時間には辿りつけない距離がある。
焼きついた記憶が、だんだんと自ら色を持ちイメージを変換していく様を
熱や湿気、不純物に反応し表情を変えていく鉄により表現している。
鉄から噴く錆は、接触したものの形跡と時間の経過を示す。
また記憶をかすめる霧の様に、鉄錆は画面に侵食する。
鉄の焼きつく色、錆でくすんでいく色、鉄の持つ様々な色を引き出し
画面として素材の可能性を試みている。
鉄は熱に反応し色を発する、瞬間的に変化してしまう色と時間の
経過で変化する表情は予想外の展開へと導き
常にインスピレーションを与えてくれる。
[作家略歴]
1982年 東京生まれ
2005年 多摩美術大学 工芸学科 金属専攻 卒業
[展示]
2004 「マル金展」 天王洲セントラルタワー アートホール
2005 「多摩美術大学工芸学科卒業製作展」 青山スパイラルホール
2006 「SINFONIE NR.1~響き合う素材と表現展」 オレンジギャラリー
2009 「GEISAI #13」
2010 「GEISAI #14」
2010 「アトリエ展~共同アトリエの6人による展示」 seta-shop gallery
2010 「3331 アンデパンダン」
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井澤由花 Izawa Yukako
私は自分の目から見える景色を描いてきました
それは私の主観から見た世界であり、記憶が混ざっていたり、
ある部分は消えていたりしている世界です
しかし6月に妊娠して、外側の世界とはっきり分かれた内側の世界も
意識するようになりました
外側の世界と内側の世界は同じ広さがあり、皮膚一枚で完全に分かれています
外側の世界は地面があり、街があり、空があり、他人がいます
内側の世界は水の世界です
そんな日常でありながら架空の世界を感じていただければと思います
[作家略歴]
1982 東京生まれ
2001 グループ展『残像』展(UP LINK FACTORY)
2004 個展『YとKのバスルーム』(上海クラブ)
グループ展『今日のおかず展』(表参道画館)
2005 多摩美術大学 絵画学科 油画専攻 卒業
2009 GEISAI#13 出展
2010 GEISAI#14 出展
2010 5/2~3 SICF(スパイラルホール)出展
2010 9/8~12 上海アートフェア 出展
2010 9/8~19 3331アンデパンダン 出展