アルマスGALLERYによる企画展、勝部敏之『インタビュー』を7月9日(土)から
7月23日(土)まで開催する運びとなりましたので、お知らせさせていただきます。
勝部の作品では、分解と再構築に対する実験が繰り返されます。
雑誌の記事や写真、新聞といった紙媒体から無作為に抽出したページやイメージを
モチーフとして、10本の濃度違いのシャープペンシルを駆使し、
紙に描き出していきます。
まず1mm単位のグリッドを引きピクセルを作り、それを1マスごとに塗りつぶし
モチーフを微分していくことで、描写と出力の境目を曖昧にし、
参照元の写真や記事が持つ固有の意味を変質させます。
執拗にピクセルに分解された写真や記事は、それまでには無かった不穏な空気と、
単一の単位の反復による視覚的な快楽性をはらんだものとなります。
そこには現代において、常に提供されるイメージを我々が信じ切っていないこと、
それでいてイメージを欲っすることをやめられない表層を愛でる態度を
暴露されるような赤裸々さが潜んでいます。
今回の個展では、アンディ・ウォーホルが創刊した『interview』誌を
モチーフとしたインタビューシリーズを中心とした新作展になります。
是非ご来場の上、ご高覧いただければ幸いです。
勝部敏之 KATSUBE TOSHIYUKI ——————————————————–
2005年より制作を開始。写真、新聞、雑誌などの様々なメディアを
再構築する作品を制作。代表的な作品として、ヒトの頭部のみを描く「Head」、
雑誌・新聞を再構築する「Reading」、「Grid」など。主な展覧会として、
「The Present Tense(東京)」、「Pool Art Fair Miami(マイアミ)」。
受賞歴として、蓑豊賞(GM2)。
[アーティストステートメント]
2010年11月14日。ふとしたきっかけから、ある古書屋へ立ち寄った。
古いながらも保存状態のよい雑誌がところ狭しと丁寧に並んでいた。
その中から興味を惹いたものから順に広げては数ページを眺めていった。
ふと左側の棚の上に目を遣ると棚には入りきらなかったであろう雑誌や本が
ビニールに包まれ積み上げられていた。
その中に「1970代インタビュー」と書かれた手書きのメモが貼り付けれた
新聞の束らしきものを見つけた。
新聞の束。それはすべてアンディ・ウォーホルが創刊した
インタビューというタブロイドだった。
著名人へのインタビューや映画のレビュー、新しいレコードやイベントの広告。
更新も削除もされない記事は当時のまま。
すべての時間が止まったまま。
紙はすっかり酸化していて、今にも破れやすくなっていた。
刷り上がったままの姿で、
ただ見てくれだけが老いぼれていた。僕が生きている間はまだ形を
留めているだろうけど、僕のひ孫のひ孫あたりになるとどうなっていることやら。
出会いの記念に絵を描こう。止まったままの中身を、止まったままの状態のまま。
僕が描いた絵もやがてはシミができて、変色して、もろくなっていくのだろう。
まぁ、描いてる僕だってその真っ最中だ。
[Selected Exhibitions]
2011 +81 Gallery+Lab Drawing Collection (+81 Gallery+Lab, Tokyo)
2010 ULTRA003 via Harmas Gallery (Director:Hironori Yagi)
Tokyo Graphic Passport 2010 Portfolio Viewing Award (3331 Arts Chiyoda, Tokyo)
Collection for MJ (Harmas gallery, Tokyo)
2009 Solo Exhibition “The Present Tense” (limArt Annex,Tokyo)
2008 Pool Art Fair (Miami)
GEISAI MUSEUM #2(Tokyo)
[Award]
2008 Juror Award -Mr. Yutaka Mino (GEISAI MUSEUM #2,Tokyo)