アルマスギャラリーでは3年ぶり2度目の水谷昌人の個展『半円の蒸気』を開催いたします。
水谷昌人は90年生まれ、京都造形芸術大学を大学院を修了後、大阪で制作活動を続けています。
水谷の絵画作品を特徴づけているのは、異様なほどの生々しさをともなった絵具の量感です。
パネル上に長い時間をかけて色とりどりに積層され、数センチの厚さにもなった絵具の層に
大胆にナイフを入れ、パネルがあらわになる深さの穴を切り抜きます。
底に達してあらわになったパネルには多くの穴が開けられ、
その穴を通して裏面から絵具が押し出され、おもてにうねりとなって堆積していきます。
押し出される色の決定は、作家の一存でなされるわけではありません。
パネルの裏面には美術史上の絵画作品を印刷したものが貼り込まれており、
穴があけられた位置上の色彩を調色し表面に注出しているのです。
水谷のこの特異な制作方法により、パネルという境を通して、
絵画を絵画たらしめている色彩の設計そのものが、まさしく絵画のはらわたのように
提示される様は非常にスリリングであり、同時に少しの畏怖、崇高さを感じさせるものでもあります。
今展では、これまで水谷がすすめてきた上記のような作品に加え、
ドローイングと大型の作品も展示されます。
_______________________________________
_____________
半円の蒸気
始めは合理的で倫理的に正しそうな思想であっても極端に偏ったことで昨今の
殺人、犯罪、戦争、格差、貧困、環境問題などに沸き出てているようだ。
一次元的なイメージが脱構築しないまま突き進むとどのような現象が起こるのか。
あらゆることは二項対立している。
片方の主義主張が極端に傾倒すると全く反対の概念が計らずとも噴出する。
自分自身が10年以上患っている双極性障害(俗に躁鬱病)という病気ないしは元々備わっていた身体感覚
(どちらが先かはもはやわからない)によって、いつもより頭が回り活動的になればなるほど明日なのか来月なのか
反動で鬱になる。もし同じことを歴史や人類規模に置き換えれば数十年後か何百年後にそれはなる。
社会と自分自身を重ね合わせた上でそのプロセスが私にとってのリアリティであり作品に反映している。
水谷昌人
_______________________________________
_____________
水谷昌人 Masato Mizutani_______________________________________
1990 大阪府生まれ
2013 京都造形芸術大学 美術工芸学科 洋画コース 総合造形ゼミ 卒業
2016 京都市立芸術大学大学院 美術研究科 絵画専攻 油画コース 修了
主な展覧会(2010年以降)
【個展】
2021 死と再生のmania(FINCH ARTS, 京都)
2021 水谷昌人展(TS4312, 東京)
2020 Aftereffect(ARTDYNE, 東京)
2019 123億魂(HARMAS GALLERY, 東京)
2019 階段に降りる魂(大雅堂, 京都)
2018 Sex and the Bacon(FINCH ARTS, 京都)
2018 IZANAI(TS4312, 東京)
2016 水谷昌人展(TS4312,東京)
【グループ展】
2022 Kyoto Art for Tomorrow 2022ー京都府新鋭選抜展ー(京都文化博物館, 京都)
2021 Hoi-poi:Contemporary Painters(Space Four One Three, ソウル, 韓国)
2021 Aliens(FINCH ARTS, 京都)
2021 メタマテリアリズム‐物質を超えて‐(三越コンテンポラリーギャラリー, 東京)
2019 Painting Made : 2019 FINCH ARTS Summer Show(FINCH ARTS, 京都)
2019 ここが浄土か(FINCH ARTS, 京都)
2018 「ARTISTS’ FAIR KYOTO」( 大庭大介 推薦 )(京都文化博物館 別館, 京都)
2017 open house(青春画廊 西陣, 京都)
2017 京芸 transmit program(京都市立芸術大学ギャラリー @KCUA, 京都)
2017 JOINT EXHIBITION(スタジオハイデンバン, 京都)
2016 a.a.t.m. アートアワードトーキョー丸の内 2016(建畠晢 賞)(丸ビル, 東京)
2016 Under 29 Artists Exhibition 2016」(島林秀行 推薦)(GALLERY MoMo, 東京)