鳥はまた青ぞらを截る

下出和美

2024年5月4日(土) - 8月3日(土) アポイント制で会期を延長します

7月1日から8月3日までの期間の、水/木/金/土の12:00-19:00で観覧希望の方は、
希望の日時をharmas(@マーク)fabre-design.comにメールお送りください。

金沢を拠点に制作をしている画家、下出和美の弊廊2度目となる個展を開催いたします。

下出は画家としての活動をはじめた初期から一貫して、野原と少女をモチーフとして描いてきました。
自身で撮影した写真をもとに背景を決め、そこに自宅で飼っている陸亀を含めたさまざまな生き物と
少女(もしくは少年)を、背景の精緻な描写とはすこし異なる簡略なタッチで描き、配置しています。
動物と人物たち、背景はほぼ等価値になるように、密度と空隙が留意されており、
明暗のコントロールのために動物を配置したりと、
可愛らしい画面とは裏腹にドライな判断が下されており、画面にほのかな緊張感を与えています。

今展では以前よりも大胆な構図、モチーフの配置に挑戦しているように見受けられます。
少しづつ変化する絵を移ろう季節とともにご覧いただければ幸いです。


「鳥はまた青ぞらを截る」 
複雑に絡まる草花の森を背負い、眼前の光景を観察する。
草はざわざわとまた形を変え、それに呼応するように、鳥や蛙が騒ぐことも、
亀が石のように動かなくなることもあるだろう。 人はただぼんやりと風を見送ることしかできないでいる。
時々視界を遮るものとも折り合いをつけながら、 観察を続けていると、
その風に乗って、迷いなく鳥が飛び、また青空を截っていった。人はその描線を美しいと感じた。    
下出和美


インディペンデントキュレーターの長谷川新さんが、今回の展示の様子から、
下出さんの作品制作の根幹にふれる文章を書いてくださいました。
ぜひこちらからご覧ください。
長谷川新 『自発呼吸、シール、庭ではない絵画』 下出和美評


下出和美  Kazumi Shimode_______________________________________
1983年 石川生まれ
2008年 金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科絵画専攻油画コース修了

[個展]
2023 Small breath April shop(東京)
2022 親密な配置 HARMAS GALLERY(東京)
2020 彗星倶楽部(石川)
2018 芸宿(石川)
2015 MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w(京都)
2013 MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w(京都)
2012 gallery 点(石川)
2011 MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w(京都)
2009 MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w(京都)
2008 art project frantic(東京),VOICE GALLERY pfs/w(京都)
2007 VOICE GALLERY pfs/w(京都)
2006 TOKYO WONDER SITE HONGOU(東京)
2005 葡萄夜(石川)

[グループ展]
2016 VOCA展2016/上野の森美術館,シェルアーティストセレクション/国立新美術館(東京)
2013 第一回損保ジャパン美術賞展FACE2013/損保ジャパン東郷青児美術館
2012 絶景/MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w(京都)
2010 手の中のミクロコスモス/金沢アートグミ(金沢),stay with art 2010/HOTEL T'POINT(大阪),carre2010/gallery 点(金沢、同2011,2013)
2009 眼差しと好奇心5/soka art center (台湾/台北),冬景08/MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w(京都)
2008 冬景/VOICE GALLERY pfs/w(京都),ART AWARD TOKYO 2008/行幸地下ギャラリー(東京)
2007 夏景/VOICE GALLERY pfs/w(京都)
2006 想画考3/VOICE GALLERY pfs/w(京都),TOKYO WONDER SEED 2006/TOKYO WONDER SITE SHIBUYA(東京)
2005 シェル美術賞2005/代官山ヒルサイドフォーラム(東京、同2006,2007), TOKYO WONDER WALL 2005/東京都現代美術館(東京、同2007)

[受賞]
2007 シェル美術賞2007/蔵屋美香審査員賞