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フラット11

山本直輝

2011年9月3日〜9月17日 12:00〜19:00

アルマスGALLERYによる企画展、山本直輝『フラット11』を9月3日(土)から
9月17日(土)まで開催する運びとなりましたので、お知らせさせていただきます。

2001年の9.11を機になんとなく落書きを始めるようになった山本は、徐々に絵画へ
の傾倒を深め、現在は人間の極個人的な闘争をテーマに絵画を制作しています。

人物の顔面が崩壊・変形し、外へと伸びる触手のようなパーツとなって顔を覆って
いたり、人体の一部が解剖図のように寸断されていたりする様が、ストリート
アートの技法を援用して描かれます。山本は、顔面を覆うこれらのパーツは、彼ら
個人の血肉の入り交じった仮面であり、古来より外的な驚異と対峙するために
呪術的に用いられた仮面と同義だといいます。
現在では、外的な驚異に代わって個人という存在そのものについての内的な葛藤に
仮面は用いられます。

デジタル世界の描線であるベジェ曲線の破片、モーションと化した肉体の一部、
外と内が入り交じり分解されようとする中でなお、自我を留めるための闘争に
さらされる人々を旧作と新作併せて展示します。

お時間お繰り合わせの上、ぜひご覧ください!

日時:2011年9月3日(土)-9月17日(土)12:00-19:00 月曜休廊
   オープニングパーティ 9月3日(土)18:00-20:00

山本直輝 Naoki YAMAMOTO———————————————————————-

1982年生まれ

2010  TOKYO GRAPHIC PASSPORT 2010 / 3331 Arts Chiyoda
点滅する存在 / 一橋大学大学院 国際企業戦略研究科
フランティックアンダーライン PART2 / frantic gallery
2009 トーキョーワンダーウォール都庁展 / 東京都庁
タグボート・サマー・アワード2009入選 / アートコンプレックスホール
トーキョーワンダーウォール2009入選、
トーキョーワンダーウォール賞受賞 / 東京都現代美術館
GEISAI#12
2008  第1回タグボート・アワード入選 / クレアーレ青山アートフォーラム
アミューズアートジャム2008入選 / 京都文化博物館
GEISAI#11
Design Festa vol.27
GEISAI MUSEUM#2

[アーティストステートメント]
存在は絶対的不安定であり、絶対的孤独である。そして、人間はそれに対し
闘争しなければならない。私の作品を見るにあたっては以上のことが
大きなキーワードになる。

絶対的不安定・・・私はある前提に立って人生を解釈している。
それは、存在するということは初めから困難を極め不条理に満ちている
ということだ。
はじめから生は死を内側に抱え込んでいるのであり、死はだれにでも
平等にやってくる。それは私達の体に刻み込まれた刻印であり、無意識のうちに
あるいは意識的に私達を不安定な状態に陥れる。そして揺るがない事実、
私達は内側に死を抱えた状態ですでに存在してしまっているのだ。

そして、人間は絶対的孤独である。相手とどんなに分かり合えたとしても
そこには「個としての存在」という大きな壁があり、それを乗り越えることは
不可能である。つまり、自分は自分の内側から外に出ることは不可能であり、
相手と完全に分かり合えることは最後には阻まれてしまう。このように、
人間は自己という強力な囲いに閉じ込められた存在であり、
そこから抜け出すことはできないのだ。
しかし、絶望してはならない。私達は絶対的孤独という状況を受け入れながらも
互いに関係を築かなければならないのだ。
それは「人間としての行為」でありとても崇高な意味を持つ行為だと私は思う。

今回の個展で制作した新作は人物が線や図形などの寄せ集めで描かれている。
これはコンポジションを追求したためでもあるが、キャンバスに描かれた
人物たちの心情を表してもいる。私が好きなパンクバンド、ラモーンズの曲に
次ぎのような一節がある。”砕け散った破片を拾い集め さあ、がらくたを
選り分けろ 自分自身を繋ぎ合わせろ” まさにこの通りなのだ。
人間は時に自分がバラバラになってしまうような状況に陥ってしまうかも
しれない。しかし、必死になって自分を繋ぎ止め生きていかなければ
ならないのが人間としての業だと私は思っている。
kakosakuhin